GRPとは?買付GRPとアクチュアルの違い、世帯から個人視聴率へ

「テレビCMの指標」と聞いて一番最初に思い浮かぶのはGRPではないでしょうか。2018年4月には東京で、2020年4月からは全国的に世帯視聴率から個人視聴率を計測する動きがでてきており、これによりGRPの意味合いも変わってきました。

この記事では、GRPの基本的な知識と世帯視聴率と個人視聴率について解説します。

GRPとは

GRPはGross Rating Pointの頭文字をとったものでジーアルピーと読みます。延べ視聴率のことをいい、特定の期間に放送された番組の視聴率を合計したものをさします。

つまりあるキャンペーンにおけるテレビCMを流した際の総量のことです。「来季のキャンペーンは800GRP程流しますか?」「いや今回は1,200GRP位流したいと思ってます。」というような会話が行われ、そのキャンペーンの規模やどれだけの人たちにリーチをするのか大まかな規模感を知ることができます。

GRPの計算方法

GRPの計算方法

ここで具体的にGRPの計算方法を見てましょう。GRPの計算方法はとてもシンプルです。上図では視聴率10%の番組に10本のCM、5%の番組に20本のCM、1%の番組に10本流したキャンペーンを例に説明しています。この場合それぞれのGRPは100%+100%+10%なので合計のGRPは210%ということになります、もちろん視聴率1%に210本流しても210GRPになります。

このようにGRPは%を足し上げるため、延べ視聴率と言われたりしますが、%を足し上げるという数学上あまり見ない計算を行います。ここでの%はあくまで単位だと考えると理解しやすいかと思います。

買付GRPとアクチュアルのGRP

テレビCMの広告費は、想定GRP(想定延べ視聴率)×パーコスト(1GRPあたりの費用)で決まります。しかし視聴率は事前に確定しているわけではないので、代理店は想定の視聴率を用意して見積もり・請求を行います。このように実際にテレビCMに発注する際に、テレビ局から出された想定視聴率をもとに計算したGRPを買付GRPといいます。例えば800GRP×パーコスト10万円だとすると8,000万円の広告費になり、買付GRPは800GRPということになります。

上述の通り買付GRPは事前の想定視聴率をもとに計算されているため、必ずしも800GRP分流れるとは限りません。実際に流れた視聴率をもとに計算したGRPを「アクチュアル」や「アクチュアルのGRP」と言います。想定視聴率がぴったり合うことは中々ありません、地域や局にもよると思いますが私の経験上買付GRPよりもアクチュアルが1%から15%程下回ることが多いです。

実際にどれくらいのGRPが流れたのかのアクチュアルを知らない企業さんもおりますが、PDCAを回していくためにもアクチュアルを知ることは非常に重要だと考えております。

世帯視聴率から個人視聴率へ

世帯視聴率から個人視聴率

GRPは視聴率の足し上げですが視聴率には世帯視聴率と個人視聴率というものがあるため、世帯GRPと個人GRPの違いを理解しておく必要があります。2018年4月から関東では世帯視聴率から個人視聴率を使用することになりました。

その後2019年には関西・中京でも個人視聴率を導入し、2020年4月からは非調査エリア5地区(山梨・福井・宮崎・徳島・佐賀)を除く、27エリアで毎日個人視聴率とタイムシフトを計測することになりました。

もともと関東・関西・中京でもピープル・メーターで個人視聴率を計測はできいたのですが、広告の買付の際に出てくる数字ではありませんでした。

世帯視聴率について

世帯視聴率は、計測対象の世帯の中でどれだけの割合の世帯がその番組を見ていたかという事なので、上図のように10世帯のうち1世帯がその番組を見ていれば視聴率は10%ということになります。

よく「春の新ドラマ〇〇視聴率10%超え!」というニュースを見るかと思いますが、ここでいう視聴率というのはビデオリサーチ社による関東の世帯視聴率が使われることが多いです。テレビがどれほど見られているのかを計測するのに、ランダムで選ばれた家庭に視聴率を計測する機器が置かれて計測しております。オンラインメーターという機器でその家庭(世帯)ではどの番組が見られているかという世帯視聴率を計測しておりました。しかし生活様式や消費者ニーズも多様化した今、家庭(世帯)でも誰が見ているのかが重要になってきたことでピープルメーターを使用し「誰にどれくらい見られているのか」を示す個人視聴率を重視するになってきました。

個人視聴率について

一方で個人視聴率は、計測対象の人の中でどれだけの人がその番組を見たかの割合なので、上図のように20人のうち1人がある番組を見ていた場合個人視聴率は5%となります。

世帯視聴率では10世帯で1世帯でも見ていれば視聴率10%となりました。しかし世帯でテレビがついていてもその家庭の全員が見ているとは限りません。2018年の厚生労働省の調査では日本の1世帯当たり平均構成人員は関東で1.9人、全国で2.2人です。このように個人視聴率では分母が個人になるため、世帯視聴率と比べて個人視聴率は数字が5割から6割ほど小さくなります。さらに母数の数が異なるだけでなく、そもそも対象も世帯から個人(性年代別で分析が可能)になったため、世帯視聴率と個人視聴率は違うものと理解しておく必要があります。

日本テレビでは社内で個人視聴率に統一しているようですが、まだ個人視聴率に完全に認識統一されまで時間を要すると思います。この視聴率は世帯視聴率なのか個人視聴率なのかを理解しておく必要があるでしょう。

まとめ

ここでいう視聴率というのは、あくまで番組平均視聴率のことを指しておりCM視聴率ではないということも理解しておく必要があると思います。また自社のアクチュアルの数字を知らない方はキャンペーンごとに確認する必要もあるでしょう。

テレビCMのアクチュアルレポート

弊社では、サードパーティのCM視聴率データをもとにしたコンサルティングを行っておりますのでご興味ある方は一度お問い合わせください。

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コンサルタント
板橋 翼