東京都のテレビCMはどれだけの人に届いているのか?

緊急事態宣言の状況下で、多くの人が在宅勤務となっていてテレビの視聴時間も増えていったかと想像します。そしてよく見られたテレビCMのうちの1つが、小池百合子東京都知事のメッセージが流れるCMだったと思います。実際に私も相当な回数接触をしていましたし、最近ではYoutuberの皆さんや鈴木福さんが出演されているものも、東京都として出稿されているテレビCMを認知しております。

いったい東京都がどのくらいの規模で出稿していて、どのくらいの人に到達し、表示回数がどのくらいだったか見てみたいと思います。

 

4月分でCMをリストアップ

まずは、4月に放映された「東京都」が出稿した「新型コロナウィルス関連」のCMをリストアップしてみました。CMとしては17種類(CMIDの数)となりましたが、便宜上6つのグループにわけることにしました。以下の表の通りです。

(以下、テレビ視聴率データに関してはスイッチ・メディア・ラボ社「SMART」を使用しております。)

4月の1か月間で、すべてを合計すると世帯4319.5GRPとなりさすがに相当な量の動画メッセージを放映したことなりました。そのうち、都知事自信が出演したのは計9パターン:世帯2860.4GRPとなり、全体の6割を占めてます。そして、意外なことに4/19以降は都知事パターンの放映は無く、Youtuberの皆さんを中心に他のパターンの放映がなされております。

 

 

緊急事態宣言が出された直後1週間程度はかなり投下量が多かったものの、それ以降は100GRP台もしくはそれより低い水準となっておりました。

ちなみに、世帯4000GRP規模のテレビCMで言えば、直近で言うと携帯電話会社のキャッシュレスサービスのCMが2020年1-3月の3か月で放映された規模と同程度となります。

 

到達人数とインプレッション

前回で私はコラムでCMをインプレッション換算することを書きましたが、今回も同様に集計してみました。

インプレッション(表示回数)で、全体では10億回以上となり相当規模であることが見て取れます。CPMが318円となり前回のコラムで書いた400~500円規模より低い水準となっておりますが、ステイホームということでテレビを見る人が多くなったことが影響しているのではないかと考えます。小池百合子さんパターンは約7億回、Youtuberの皆さんパターンは約2億回の表示回数となってます。

デジタル広告でこの規模を掲出するのは相当難しいと思います。このような緊急性と重要性が高いメッセージを広いターゲット(今回は全性年代)に届けるにはテレビのチカラを使うことが一番適していることがわかります。

Youtuberの皆さんの起用について

少し話を広げてみたいと思います。基本的にこのコンテンツに関していえば、特定のターゲットは無いとは思いますが、Youtuberの皆さんを起用した狙いは明らかに若年層を意識したものと思われます。そこで若年層(ここでは13~29歳)に対して接触の違いが見られたかという一部を紹介したいと思います。世代別の到達率もCM種別に出してみましたが、そもそも投下量の違いがあるので比較対象にはなりづらいかなと考えますので、CM全接触ユーザにおける若年層の接触割合がどうなったかを見たいと思います。

こうしてみると、あくまで4月分に限ったケースとなりますが、若年層への到達効率は落ちてしまったように思えます。要因として考えられる仮説はいくつかあるかと思いますが、手元のデータで放映時間帯についての差異が見られたので紹介したいと思います。

時間帯別の放映本数割合を比較してみました。「全体との差異」というのは、全体の時間帯別割合とパターン別の時間帯別割合との差になります。小池百合子さんパターンは全体傾向とほぼ同じような時間帯の割合となっている一方で、Youtuberの皆さんパターンは時間帯によってはプラスマイナス1%以上の差異が出ています。この違いがテレビCMにおける若年層への接触割合に出た要因の1つとも言えるでしょう。もちろん、Youtube等デジタルの出稿についてはそれぞれターゲティング出稿もして若年層へメッセージを届けていることと思います。

 

 

テレビ視聴率データで様々な分析が出来ることを少しでも感じて頂けたらと思い、昨今多くの人が認知したであろうテレビCMを取り上げてみました。ぜひ、分析の一例を感じて頂ければと思います。もちろん、様々なデータを合わせてより深く分析することが実際の業務ではほとんどです。詳細はコチラをご覧いただければと思います。

 

シニアコンサルタント
冨田真吾