<2017年8月、Vol.33>
- 今月のデータ:気づかざる電通の「オーガニック成長」落ち込み
- WPP/GroupM/Xaxisのブライアン・レッサー氏がAT&T(+Time Warner)に移籍
- 「チーフ・エクスペリエンス・オフィサー」デジタル新役職
- オプトイン争奪、流通現場での「リアル行動ターゲティング」
- 「現金を燃やす」ビデオ・コンテントのビジネス採算分岐点は
- 今月のデータ:ニューヨーク・タイムズの有料購読者200万人突破はトランプ効果
オプトイン争奪、流通現場での「リアル行動ターゲティング」

「流通小売店舗」での位置情報の活用に関して、米国状況が徐々に進化しはじめた。位置情報の活用は時間軸を大きく2つに分けて、以下のように仕分けされる。
- 「今」居る=現在地を表す点の情報
- 「過去、◯◯に居た」行動履歴(蓄積)として把握する情報
流通店舗内での位置情報は、この両方を合わせたデータの活用によって新しい顧客体験を作るために「店外から」仕掛け準備が進む。Wal-MartとGoogleの提携発表は典型的例となるだろう。
「活用価値がある位置情報」を取得するには、オプトインが条件
スマホからの取得できる個人の位置情報&行動履歴は、情報を提供する個人ユーザー側の「利便性の価値」に対し、データを利用したいマーケター側の「プッシュ広告的なサービス」が見合っているかどうかが議論になる。ユーザー側の許可である「オプトイン」を抜きにして、マーケターにとって「価値ある」位置情報は収集できないのは自明のこと。
昨年は配車アプリの「Uber」が、アプリ起動以外での位置情報にフルアクセスを行い、紐付いたお勧めや案内を発する事を「利用規約のデフォルト」としたために、訴訟に発展する議論となった。Uberのようにプライバシーポリシーを更新して、アプリの枠を超えてバックグラウンドの位置情報収集を可能にするトリックは、プライバシー・グループからの反発が連邦取引委員会(FTC)への訴状へと発展するパターンとなっている(Uberは今年1月に和解)。このようなトリッキーな(隠れて入手する)姿勢は、徐々に制限(自粛)される傾向にある。

一方でアップルの次のiOS 11では、アプリを使用していない時の位置情報データの利用に関して、ユーザー側が選択・制限できるように追加質問を挿入して、セキュリティー改訂されている(図2)。アプリ開発会社のトリックで、ユーザーが「知らぬ間に」、「否応無しに」日常の位置データをばら撒く事を防ぐ措置だ。ユーザーがアプリを開いている間(フォアグラウンドの間)だけ、アプリやマーケター側は位置情報を収集できる、という本来の倫理的に望ましい姿にもどりつつある。
位置情報履歴は、購買履歴よりも恥ずかしい情報?
現在考えられている位置情報の履歴は、「購買履歴」、「視聴履歴」、「ソーシャル履歴」よりも極めて「本人のナマ」に近い情報だ。購買も視聴もソーシャルも、ユーザーは履歴を取る前提でサービスを受けている事が多く、その分、自分を社会的に「演じる事」ができる。たとえば、如何わしいモノを買ったり視たり発言したりしないのは自然だろう。
ところが位置情報は、・・・
続きはMAD MANレポートVol.33にて
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