『MAD MANレポート Vol.25』広告&マーケティング業界の最新トレンドを紐解く(DI.ニューヨーク発行)

MAD MANレポート

MAD MAN’s Second Anniversary !

<2016年12月、Vol.25>
  • 世界一のエージェンシーWPPがなぜ今、独自ID構築なのか。 データにまつわる組織改編の苦労
  • アマゾン・ダッシュ登場。「ボタン」と「Echo」の向こう側
  • スタートアップ企業を見る眼とはいかに。 ミックス・リアリティー(MR)のMagic Leapの状況から考える。
  • 世界のグローバルブランド、日本のグローバルブランド

世界のグローバルブランド、日本のグローバルブランド

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価値を下げ続けている日本のメジャーブランド

Millward Brown のランキングで日本ブランドのトヨタ、ホンダ、日産の価値と順位の推移を見ると、ブランド価値が横ばいのままで(添付3、図下)、順位ランキングは毎年じわじわと下げている(添付3、図上)のがわかる。比較対象としてグーグルとアップルを並べたが、彼らはブランド価値を毎年上げ続けながら、上位のポジションを維持しているのがわかる。 悲観するだけではなく、明るいリストも用意した(添付5)。Interbrandは、世界の市場で活躍する日本企業ブランドとして40社をリストしている。これらの40社は日本市場内部での販促投下だけでなく、グローバル市場においてのブランディング構築を考えている(考えるべき)ブランドだ。これらの40社レベルになれば、社内にグローバルCMOが存在し、グローバルでのブランディングにおけるKPI/KGIが設定されているはず(べき)だ。読者の身近のブランドがあれば是非彼らの活動指針を確認してみて欲しい。 【添付1】 mm25_1
出典:http://adage.com/datacenter/
【添付2】 mm25_2
出典:http://wppbaz.com/admin/uploads/files/BZ_Global_2016_Report.pdf
続きはMAD MANレポートVol.25にて ※2021年1月よりMAD MANレポートの発行元は、株式会社ベストインクラスプロデューサーズに変更になりました。 ご購読のお問い合わせはこちらからお問い合わせください。 バックナンバーはこちらからご覧ください。

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