『MAD MANレポート Vol.64』広告&マーケティング業界の最新トレンドを紐解く(DI.ニューヨーク発行)

<2020年3月、Vol. 64>

●激動の経済潮流の中でCOVID-19以上に動いている事
●原油価格暴落は世界通貨の暴落
●中国のバブル崩壊の数字を一気に公開
●株価暴落から社債金利の上昇・中央銀行を含めた銀行間の信用の崩壊・多面的な金融
危機まで
●新興国通貨の(対ドル)暴落


株価暴落から社債金利の上昇・中央銀行を含めた銀行間の信用の崩壊・多面的な金融危機まで

COVID-19(新型コロナウィルスのWHO命名、以下本文ではCOVID-19)の現在の時勢の中で、医療関係すべての皆様、そして政府組織、報道関係、「エッセンシャル(必要不可欠)」と社会から必須任務として緊急の手配を社会のために尽くされている皆様あっての社会の維持活動であり、感謝の限りです。連日の休日返上で、さらにご自身の健康のリスク環境にも向かって任務をまっとうされている皆様が作る社会の上で、多大なるご恩をいただいておりますこと、ここに表明します。

今月のテーマと内容はすべて、マーケティング特化をさらに広げ、その土壌である「世界経済」に関する動きの共有です。日本の報道やSNS情報がCOVID-19事情に偏るあまり、その次の視点について触れられていないので、みなさまと共有したくお届けします。

世界の現状は暗闇の中で両手に銃を持ち、両手を広げて引き金に指をかけて待っているような状態です。COVID-19が「最初に引かれた引き金」のごとく語られようとも、この火薬は実は本当に小さいもので、さらにその後ろに大きな連鎖が待ち構えている。

 

指標で視るものに変化

2020年3月6日に発表された米国の2月の雇用統計の数字が、予想の17.5万人を上回り27.3万人と非常に大きな数字になった。今やこれらの「基本経済指標」を誰も見なくなってきたのではないだろうか。これらの数字は2月の中盤までの数字のため、COVID-19感染拡大の影響はうけていない数字だ。「ファンダメンタルズは堅調」「底堅い」というコトバは消え、異次元の概念をこれから模索する事になる。為替、債権の市場の動向だけは慣れて行きたい。

 

リセッションではなくディプレッション、その先

2020年3月3日にFRBは先手で発表した0.5%利下げの近距離砲に続き、続いて休日中の16日に2度目の1.00%(通常の利下げ幅の4回分=1年前倒し)の利下げの緊急発表を行った。FOMC会議を待たずゼロ金利政策を事実上復活させることになった。

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2020年3月16日・日本経済新聞
「FRBが1%緊急利下げ ゼロ金利に、量的緩和も再開」

以下抜粋
米連邦準備理事会(FRB)は15日、緊急の米連邦公開市場委員会(FOMC)を開いて1.0%の大幅利下げに踏み切った。政策金利は0~0.25%となり、2008年の金融危機以来のゼロ金利政策を敷く。米国債などを大量に購入する量的緩和政策も復活させる。

出所:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56817950W0A310C2000000/
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この「思いっきり」舵をいっぱいに切ったアクションは、すでに「リセッション(景気後退)」を越えて「ディプレッション(恐慌)」に向かっている。しかも「世界」レベルだ。中国・イタリア・ドイツ・サウジアラビア・ロシア・インド・ブラジル・オーストラリア・日本。順序は関係ない「一斉」にだ。

 

QEは金融市場をQE中毒にしてしまう(これからさらに「支援中毒」が作られる)

中央銀行が行う量的緩和政策(QE ※)と、政府が行う財政支援に関しては今後も注目する必要がある。

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以下抜粋
※「量的緩和政策(QE:Quantitative Easing)」とは
金利の引き下げではなく市中銀行が保有する中央銀行の当座預金残高量を拡大させることによって金融緩和を行う金融政策で、量的緩和政策、量的緩和策とも呼ばれる。

平時であれば金利を下げていけば、経済刺激効果が出て景気は回復するが、深刻なデフレーションに陥ってしまうと、政策金利をゼロにまで持っていっても十分な景気刺激効果を発揮するこ
とができなかった。そこで政策目標を金利だけでなく、資金供給量を増やすことで対応した金融政策が量的金融緩和政策である。

アメリカのFRBによるQE1(2008年11月-2010年6月/1兆7250億ドル)、QE2(2010年11月-2011年6月/6000億ドル)、QE3(2012年9月-/月額400億ドル)がある。
出所:https://ja.wikipedia.org/wiki/量的金融緩和政策
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現在の経済の落ち込みの入口として、中央銀行や政府にすがって助けてもらうしかないという風潮が生まれている。日本では米国の220兆円にも及ぶ対応を日本政府と比較して、「うらやましい」即決大量の支援策とすべきだという意見も聞く。

 

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2020年3月19日 
「米 経済対策 50兆円の現金給付検討 新型ウイルス」

以下抜粋
新型コロナウイルスの感染拡大を受けてアメリカのトランプ政権は、計画している日本円で100兆円規模の経済対策のうち、およそ50兆円を個人への現金給付にあてることを検討しています。

企業への支援としては運行の停止などで経営が悪化する航空会社への債務保証や補助金として5兆円、そのほかのホテルやレストランなどの資金支援として15兆円、それに仕事が減った会社が従業員の給与を支払えるように中小事業者向けの融資枠として30兆円をあてるとしています。
出所:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200319/k10012339041000.html
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2020年3月22日
トランプ大統領 経済対策 当初の倍2兆ドル規模要請を示唆

以下抜粋
これについてトランプ大統領は、21日、記者会見で、複数のメディアが、予算規模が当初の計画より倍増する可能性を報じていることについて「議会には何度も話している。与野党で国民の役に立つ特別な対策を作り出す」と述べ、2兆ドル、日本円で220兆円にのぼる異例の規模の予算を、議会下院で多数派の野党・民主党に要請していることを示唆しました。

この経済対策には、ひとり当たり日本円で十数万円の現金を直接給付する措置や、経営が悪化する航空業界や中小事業者への資金支援が含まれています。
出所:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200322/k10012343641000.html
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今回のような世界中で劇的な金融崩壊に対して、中央銀行によるQEや政府財政注入が常套手段であり、これ以外に対策が無いとする。ところがこれらの打ち手に対して、市場が上向くどころかさらなる不安で包まれている。

QEには「悪影響(副作用)」があると言われている。QEという策は市場を蘇生する手術でなく延命するクスリなのでまるで中毒者のような「頼らないと生きていけない」構造を生み出す。リーマンショックの構造(QEでの延命)がまだまだ戻らない間に、中央銀行群は救済の名の下に市場をQE中毒に仕向けているのを薄っすらと市場自身が感じている。

2020年3月20日時点で米国を筆頭に、世界の経済状態は株式市場だけを見ても底無し沼であり、さらに半分になる勢いすら予期させる。株式上昇の最大の要因だった「自社株買い」は政府が禁じる法案も登場しているが、内部留保すら吹っ飛ぶ企業にとってとっくに忘れられて当面二度と起こらない。

「外出禁止」の傾向に有利と思われるネット系企業でさえが価値を大幅に下げて、全ての航空会社・米ボーイング・旅行会社・クルージング会社・石油&ガス・リテールの外食・流通・小売等が2020年4月に入ると3月決算の影響で倒産発表が相次ぐだろう。すでに筆者の周りでも企業業績悪化のための一時解雇「レイオフ」が10人を越え「3月は売上9割減」の事業主が後を立たない。

 

頼ってはいけないのに頼るしか無いと思っている経済政策

各国の中央銀行群と各国政府が不健全と分かりつつ行うQEや上記の財政出動(財政赤字増)の政策を止血策としてあえて急拡大するしかないと期待されてしまった。何もしない日本政府を非難する意見も多く聞くが、実は周回遅れが幸いする可能性すらある。

米国の現在の打開策は、中央銀行(FRB)や政府に対する各業界からの「救済依存」が強まるばかりで、巨額の資金を積み重ねてもさらに足りない可能性が膨らむ。一方で中央銀行や政府が支援をする事に慣れてしまうと、天文学的な借金を積み上げる事への不安が増大する。だからと言って破産を始めとした経済が崩壊してよいのかという巨大なジレンマがあり、あるいはドサクサ状態に面している。リーマンショック時に議論された・・・

 

続きはMAD MANレポートVol.64にて

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