広告予算配分参考例 〜①軽自動車 ②ビール飲料 ③デモグラ別〜

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①軽自動車の場合

軽自動車(乗用)の新車販売での参考例です。2018年1月〜12月の軽自動車新車販売台数(一般社団法人 全国軽自動車協会連合会調べ)とターゲット人口(20〜69歳男女に仮定)、テレビCM投下コストのそれぞれのシェアを比較したものです。

ここでは全エリアに世帯1,000GRP(関東地区は個人全体約510GRP)で試算をしています。人口シェアに対して、首都圏エリアを除きほぼスライドしてテレビCMも投下されています。しかし、販売台数シェアと比較すると、十分なエリア毎の適正配分は行われておらず、市場規模に対して順応できていない可能性が高くなります。

*写真はイメージです。

また、1,000人あたりの「軽自動車の新車販売台数(乗用)」と100台販売あたりの「投下コスト」(テレビCM)を比較したグラフは次のようになります。エリア別の総額(投下コスト合計)でなく、効率性で比較した場合にも少し問題があるといえます。

新車販売台数とテレビCM投下コスト比較(1,000人あたり)

首都圏、関西、北海道以外は、販売台数では平均を大きく上回り、投下コストでは逆に下回る。

広告予算配分・コンサルティングでは、上記8区分だけでなく、全国を任意のエリア数で区分することが可能です。(推奨は営業拠点区分など)例えば、自動車では下記のように「12区分」まで細分化し、メーカー別の販売台数合計とシェア、テレビCM投下コスト効率を比較することも可能です。

8区分→12区分:関東→首都圏と北関東、 関甲信越→北関東と甲信越、東海北陸→東海と北陸、中四国→中国と四国

上記表のデータ元:総務省「平成30年1月1日住民基本台帳」、 全国軽自動車協会連合会「軽自動車新車新規車種別・銘柄別・都道府県別検査(販売)台数」にDI.オリジナル指標を加え独自試算

このようにDI.のエリアアロケーションでは、独自の試算表・計算式を用い、放送エリア別の%コストを都道府県に分解したり、逆に任意の営業拠点エリア(支社・支店管轄)で効率計算を行ったりすることが可能です。自社の営業エリア区分や、商品・ブランドに合ったデモグラ別ターゲット数、市場規模などを変数として勘案することで、全国のエリア適正コストの再検討を行っていきます。


②ビール飲料の場合

エリアアロケーションを検討すべき「ビール飲料」の参考例です。国税庁の平成28年度分「酒類販売(消費)数量等の状況表」を元にテレビCMの投下コストと比較してみます。この例ではテレビCMの投下量を全国一律ではなく下記の比率で試算しています。ただし、投下コスト合計(全国)は、世帯1,000GRPを全国均一で投下した場合とほぼ同額となっています。

*関東(1都6県)・関西(2府4県)・中京(3県)は1,200GRP、主要エリア(札・福・仙・広)は800GRP、福井・徳島・佐賀・宮崎は300GRP、その他地区500GRPで試算。

*写真はイメージです。

仕事終わりの “旨い” ビールは、必ずしも家(居住エリア)で飲まれるものではないので(家庭用と業務用の消費量は半々)、都市圏ではその中心となる都府県での消費量が大きくなります。しかし、全国8エリアに区分するとターゲット人口比率とビール消費量比率は概ね近いことがわかります。ただし、テレビCMに掛かっている投下コスト比率には少々偏りがありそうです。消費財の場合、既にテレビCMが全国一律GRP投下でない場合も少なくないですし、エリア毎のマーケットシェアの影響や戦略的なコスト増減も当然あります。また流通対策上、テレビCM投下が不可欠である場合もありますが効率性を把握して行うメディアプランニングと、そうでないプランニングとでは大きな差が生じます。

ビール消費量とテレビCM投下コスト比較(1,000人あたり)

 首都圏と九州・沖縄では、消費量は1.3倍だが、投下コストでは3.5倍に

データ元:総務省「平成30年1月1日住民基本台帳」、国税庁平成28年度分(平成28年4月~平成29年3月)「酒類販売(消費)数量等の状況表」にDI.オリジナル指標を加え独自試算

このビール飲料向け分析では、「20歳以上男女」をターゲットとして、エリアアロケーションを検討する任意の営業拠点の8エリアに区分して⽐較をしています。このように、自社の営業エリア区分や、商品・ブランドに合わせたデモグラ別ターゲット数、市場規模などを変数として勘案することで、全国のエリア適正コストを再検討することが可能になります。


③デモグラ例

女性20〜39歳の場合 *ターゲット人口のみ(追加変数なし)

男性20〜49歳の場合 *ターゲット人口のみ(追加変数なし)

男女10〜29歳の場合 *ターゲット人口のみ(追加変数なし)

*関東(1都6県)・関西(2府4県)・中京(3県)は1,200GRP、主要エリア(札・福・仙・広)は800GRP、福井・徳島・佐賀・宮崎は300GRP、その他地区500GRPで試算

男女15〜79歳の場合 *ターゲット人口のみ(追加変数なし)

*関東(1都6県)・関西(2府4県)・中京(3県)は1,200GRP、主要エリア(札・福・仙・広)は800GRP、福井・徳島・佐賀・宮崎は300GRP、その他地区500GRPで試算
*本参考例では、1,000人あたりのテレビCM出稿単価を、DI.のこれまでの経験値に基づき全国のエリア別%コストを仮設定し、本文ご説明用に試算した単価を使用しています。関東地区の%コストを概ね10万円で計算していると考えてください。

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