「テレビCMに出稿するのにどれ位かかりますか」という質問をいただくことがよくあります。この質問にお答えするのは容易ではありません。なぜならテレビCMに出稿する費用は様々な条件によって大きく変動するからです。
この記事では、テレビCMの料金が変動する条件と、CM1本出稿するのに必要な費用を地域ごとにSAS(スマートアドセールス)の価格を参考にまとめてみました。
テレビCMの料金・費用
テレビCMの料金をここでは制作費ではなく、CMを流すのに必要な電波料という意味で使用させていただきます。テレビCMには大きく2種類ありタイムCMとスポットCMに分けられます。タイムCMとスポットCMについての詳しい説明は「テレビCMの種類タイムとスポットともう1つの買付方法とは」をご覧ください。
タイムCMは、原則的に6ヶ月からの契約となるのでグロスの金額は高くなる傾向にあります。全国ネットかローカルなのか、枠にもよりますが、月に数千万程の予算が必要です。仮に月額2,000万円の番組を購入した場合、6ヶ月分ですので2,000万×6で1億2,000万程の予算が必要になってきます。
一方でスポット広告は、自社の予算に合わせて出稿する量を決められるので原則的に自社の予算に合わせて出稿ができます。
テレビCMの料金や価格が異なる理由

タイムCMもこの時間のこの視聴率であればこれ位の金額というだいたいの相場はありますが、明確に値段が決まっているわけではありません。当たり前ですがテレビCMの枠はテレビ局の商品ですので、どのテレビ局から購入するかによっても異なります。
またこれはタイムCMにもスポットCMにも言えることですが、同じ局の同じ時間帯であってもどの代理店から購入するかによっても価格が異なります、更にいうと購入する広告主によっても異なります。このようにテレビCMは一物二価の側面があるため、どの番組をいくらで購入したかはその広告主しかわかりませんし、いくらで購入したかという情報は広告主にとって非常にセンシティブな情報になります。
SASで地域ごとにテレビCMの相場価格を比較

このようにタイムCMやスポットCMは、購入する広告主やタイミングなど様々な条件で異なります。しかし2020年に始まったSASは番組1本あたりの価格をオープンにしています。1本ごとに価格がついておりその価格が公開されているため、全ての広告主が平等に購入することができるようになりました。
そこでSASで販売されているテレビCMの料金を見て、テレビCM1本流すに必要な料金を地域ごとにまとめてみました。※SASについての詳細は「第三のテレビCM『SAS(スマート アド セールス)』とは」をご覧ください。
SASでは、毎月1日に2ヶ月後の月の枠が公開されます。つまりこの記事を執筆している2020年6月現在では、2020年8月の枠が見れるようになっています。現時点ではSASは関東エリア、関西エリア、中京エリア、北部九州エリアのテレビCM枠を購入することが可能です。今後さらにエリアを拡大していくと思われますが、まずはこの4つのエリアで同じ局、同じ日時の枠の値段を比較してみましょう。
・火曜9時30分 PTの場合
価格 | パーコスト | CPM | 述べ視聴人数 | |
関東エリア | ¥300,000 | ¥100,000 | ¥233 | 1,288,000 |
関西エリア | ¥200,000 | ¥76,923 | ¥368 | 543,000 |
中京エリア | ¥80,000 | ¥26,667 | ¥241 | 332,000 |
北部九州エリア | ¥70,000 | ¥12,963 | ¥424 | 165,000 |
上記は日本テレビ系列の火曜9時30分のPT枠ですので、「スッキリ」に1本CMを流す際に必要な費用です。こうしてみると人口が多い関東は300,000円と1番高いですが、CPMでみると233円と効率がいいことが分かるかと思います。また北部九州エリアであれば「スッキリ」に70,000円で出稿が可能でグロスで見た場合は一番安いと言えます。
・火曜21時00分 SBの場合
価格 | パーコスト | CPM | 述べ視聴人数 | |
関東エリア | ¥1,600,000 | ¥213,333 | ¥497 | 3,221,000 |
関西エリア | ¥1,000,000 | ¥126,582 | ¥606 | 1,650,000 |
中京エリア | ¥300,000 | ¥38,462 | ¥348 | 863,000 |
北部九州エリア | ¥190,000 | ¥14,729 | ¥482 | 394,000 |
ゴールデンである21時になると視聴率が高くなるため、必然と値段は高くなります。視聴率が高くなることでCMを見る人数も増えるので、1度で多くの人達に認知される可能性が高くなるからです。
2020年8月のこの2枠だけをみると、関西エリアである読売テレビの枠が少し割高に見えます。テストマーケティングとしてCMを出稿したいということであれば、CPMの安い中京エリアかグロスの安い北部九州エリアという判断ができるかもしれません。もちろん値段はその月によって異なりますので、毎月確認する必要があります。
まとめ
SASでテレビCMの料金を見てみると、テレビCMを流す時間帯や地域が違うと費用も大きく異なる事が分かるかと思います。今回の例は日本テレビ系列だけでしたが、SASの参加局は関東であれば、フジテレビ・TBS・テレビ東京がありますので、同じ時間帯でも局別で見てみるとまた違った結果になります。このように1本単位で出稿できるため、低予算からでも実施できるメディアであることもご理解いただけたかと思います。
デジタルインテリジェンスでは、SASを活用したプランニングを承っておりますのでご興味がある方は一度お問い合わせください。
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コンサルタント
板橋 翼