「テレビCMは予算は高いからコスト効率が悪い」そのようなイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。この記事ではテレビCMをCPMに換算して、ディスプレイ広告や動画広告を比較して見ました。「なぜ多くの企業がテレビに出稿をしているのか」のヒントが見つかるかもしれません。
CPMとは
そもそもCPMについてご紹介したいと思います。CPMはCost Per Millの頭文字をとって「シーピーエム」と読みます。一般的には1,000人に見られるために必要な広告費のことをさします。
広告効果の事前事後評価に使われ、CPMの値が低ければ低いほど、その広告が効率的見られたことになります。
CPMの計算式は、下記の通りです。
CPM = 広告費 ÷ 見られた数(インプレッション)×1,000
例えば、広告費が100万円で200万人に見られた場合、その広告のCPMは500円になります。しかしCPMが安ければいい広告、メディアというわけではありません。なぜならその広告が表示されると想定されるターゲット、表示面や配信面、表示位置、表示サイズなどによっても異なりますし、それが画像なのか、動画なのか、音ありなのかどうか等によっても異なってくるからです。
テレビCMのCPM
デジタル広告に携わっている方であれば、どの広告メニューがどれ位のCPMなのかある程度把握されているかもしれません。しかしテレビCMのCPMをすぐに答えられる人は少ないのではないでしょうか。ここでデジタルインテリジェンスが、過去のテレビCMのキャンペーンの分析を例にテレビCMのCPMをご紹介したいと思います。
下記は、2019年4月~5月に関東で実施したキャンペーンを分析したレポートの一部です。
デジタルインテリジェンスではこのようにテレビCMのキャンペーン結果を性年代別に、到達率やインプレッションを分析しています。テレビCMのインプレッション換算について詳しく知りたい方は「テレビCMをインプレッション換算してみた」をご覧ください。
このキャンペーンの例をみるとCPMは315円という結果でした。出稿量や30秒素材の比率によってはCPMが300円から600円と上下することがありますが、テレビは安定したメディアということもあり大体この範囲で収まることが多いです。
テレビCMと他のメディアCPMで比較
テレビCMのCPMが300円から600円というのは高いのか低いのかを確認するために、他のメディアと比べてみたいと思います。
前述の通り、フォーマットの違うメディアをCPMで完全に並列に見ることは難しいですし公平でないかもしれません。ここではテレビCMのCPMを相対的に評価するための1つの目安として見ていただければと思います。
出典:RedTVerPMP配信ご紹介資料2019_10-12
新聞広告 | 日経マーケティングポータル
Yahoo! JAPAN ブランドパネル
上記はメディア別CPMです。新聞は日本経済新聞の全国版の全5段を、動画広告はRed Tver PMPとYoutubeを参考にしてみました。
ディスプレイ広告は、一定の質を保ちつためにYahoo! JAPANのブランドパネルの価格で比べております。購読者数=インプレッションとも言えないですし、そもそも静止画と動画を比較するものでもないかもしれません。Youtubeの広告メニューはほとんどがCPV課金なので、CPM課金のバンパー広告を比較してみました。バンパー広告は弊社の運用でだいたい約400円に収まることが多いですが、ここも数百円前後します。
必ずしも正しい数字ではないかもしれませんが、これである程度のCPMの相場が分かるかと思います。このように他のメディアと比較してみると、テレビのCPMが非常に安いことが分かると思います。「グロスで見るとテレビの広告費は高いが、1000人あたりで見ると安い」という視点は非常に重要だと考えています。
まとめ:テレビはCPMは400円と安価
テレビ広告は高いというイメージがあったかと思いますが、CPMで見ると安いということがご理解頂けたかと思います。そもそも海外と比べて日本のテレビCMは安いと言われています。もちろんM1やF1に限定した場合、テレビよりデジタルの方が安くなる場合もありますので、テレビとデジタルをうまく使い分けていくことが重要になってきます。
効率的にリーチを増やしていくためには、テレビとデジタルと使い分けが重要になってきます。弊社ではテレビとデジタルの統合管理のサービスもご提供しておりますので、ご興味がある方は是非お問い合わせください。
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コンサルタント
板橋 翼