広告&マーケティング業界の最新トレンドを紐解く『MAD MANレポート Vol.47』(DI.ニューヨーク発行)

<2018年10月、Vol. 47>

●Amazonリアル店鋪の目、「Amazon 4-Star」が開店
●(余談)さらに逆行する日本の流通企業の店鋪への信奉
●巨人テクノロジー「IBM」がDSP「MediaMath」と手を組む流れと、エージェンシーへの影響と
●テレビxデジタル エコシステム最前線:米国のテレビ番組視聴が続々とネット上で「無料」視聴に
●(続)vMVPD「無料版」とは。TVエコシステムへのインパクトを考える

 


テレビ×デジタル エコシステム最前線:米国のテレビ番組視聴が続々とネット上で「無料」視聴に

図1:vMVPDのこの1年間の伸び。出典ComScore
https://www.comscore.com/Insights/Blog/When-Linear-TV-and-Digital-Collide-The-Rise-of-the-Virtual-MVPD

■ネット上に広がるテレビ番組視聴と、比例して広がる広告市場
 Netflixが代表的なネット配信(OTT)の「サブスクリプション・サービス」は、今日までネット配信動画の市場を沸かせて来た。それを追いかけて米国(欧州)では「vMVPD※」事業が「スキニーバンドル(従来よりも少なめのチャンネル組み合わせ)」のTVサブスク・サービスとして追随している。さらに今年に入り、「広告付きの無料プラットフォーム=無料vMVPD」がコネクテッドTV(ネット接続テレビ)の市場シェアを上げている。

※vMVPD(virtual multichannel video programming distributor)=ケーブルTVや衛星TV経由でテレビ番組を放映する事業者をMVPDと略すが、ケーブルや衛星を介さず、ネット経由でテレビ(動画)放映する事業者をvirtualの「v」を頭に付ける事でvMVPDと称する

 この成長は、自宅リビングの50インチ画面で「プレミアムなテレビ番組放映を見たい」視聴者の需要側と、番組製作者たちや広告主の供給側の両方にとって、大きなエコシステムの変化を加速させている。いよいよテレビ(局による)番組視聴は、ネット経由の利用が標準な選択肢になりつつある。

この米国での異変を日本の読者の理解のために、少々極端に演出して例えてみると:

 『TBSやテレビ東京、WOWOWなど6社が提供するネット経由のテレビ番組配信サービス「Paravi」が、サブスクリプション型定額制動画配信(SVOD)として月額999円のサービスが始まっている。東京に住む私はすでにNetflixの月額1,200円スタンダード版に申し込んでいて、Amazon Primeビデオには月額400円で申し込んで、その他のネット上のサービスを含めると毎月2,000円程をオンデマンドのコンテンツに使っている。

 でもこれらのOTTサービスは、VODベースなので、指定されたオリジナル番組や過去の作品しか見られない。普段テレビ局が配信している「月9やテレビ局ドラマ」はテレビを点けて(電波放送を)ケーブル経由で見ている(スマホでは見られず、ネットでの見逃し視聴TVerも限られたドラマしか見られないのが現状)。そういえばケーブル回線(WOWOWやJCOM、衛星スカパー)の有料契約も支払っているので、毎月映像に5,000円以上も払っている事に気づいた。

 ところが!何と無料のネット経由で見られる「MabeaTV(架空)」において、提携先のテレ朝のドラマどころか、日テレの巨人戦生放送やテレ東のモーニングサテライトなど全チャンネルのニュースや、WOWOWで見ていたケーブルTV上の100チャンネルや、VODサービスで映画までも「無料」で見られるサービスが始まった。しかも4K。ネットに繋がっている画面であれば、100を超えるチャンネルの番組ガイドをスクロールして「あれこれ、ながら見」をする、テレビならではの視聴が広がった。ちょっと広告が多いけれど、それも覚悟の上の「無料」サービス。もちろん外出先のスマホでも見られるので、今や住んでいるアパートに初期設定契約されているケーブルテレビは解約しようと思う。』

という世界が生まれているのだ。

図2:米国での「コネクテッドTV」の接続別視聴時間と世帯普及数。出典ComScore
https://www.comscore.com/Insights/Blog/When-Linear-TV-and-Digital-Collide-The-Rise-of-the-Virtual-MVPD

日本では未だ「無風」の「コネクテッドTV」であり「vMVPD」の形態であるが、米国では8,870万世帯がコネクテッドTVを保有しており、これは全世帯の71.6%に相当する(eMarketer)。号砲が鳴ると動きが早い日本において「確実に起こる事の、夜明け前」として、準備すべき事へのシミュレーションとして「無料vMVPDの登場」を紹介したい。

この現象は、
1)テレビ局側のコンテンツの配信目線で(例:脱放送電波)
2)ブランドチャンネル目線で(例:脱YouTube)
3)事業側の投資目線で(例:脱パッケージグッズ(CPG)屋、ブランドのメディア化)

において、「広告による無料視聴」が流れてきたので、エコシステムの大きな川の向きに変化が生じている動きである。当然ながら・・・

 

続きはMAD MANレポートVol.47にて

 

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