広告&マーケティング業界の最新トレンドを紐解く『MAD MANレポート Vol.46』(DI.ニューヨーク発行)

<2018年9月、Vol. 46>

 ●続々と登場する「無人レジ」スタートアップと「Amazon GO」の狙いの違い
 ●「映像コンテンツ+携帯回線」の放映・広告ビジネスに方程式はあるか。
 「5G」に回帰する「Verizon」と「Time Warner」コンテンツにシフトする「AT&T」から考える

日本の「広告・マーケティング」事業による米国進出の在り方
 ●前編:サイバーエージェントとセプテニーがニューヨーク進出する意味
 ●後編:博報堂の北米展開、近況

 


「映像コンテンツ+携帯回線」の放映・広告ビジネスに方程式はあるか。「5G」に回帰する「Verizon」と、「Time Warner」コンテンツにシフトする「AT&T」から考える

 

ティムアームストロングオース

 

 

 

図1: Verizon Oathのティム・アームストロングCEO
https://www.wsj.com/articles/verizons-internet-boss-in-talks-to-leave-1536321413

 

■AOLを率いVerizonのデジタル部門で中核を務めていたアームストロング氏の辞任表明
 日本でもいずれ、このような辞任が起こり得るだろう。アメリカのテレコム大手「Verizon」のデジタル・コンテンツ事業会社である「Oath(AOL+Yahoo)」のトップ、ティム・アームストロング CEO(47歳)の辞任予定をWSJが報じた(9月7日)。

 アームストロング氏といえば、米国デジタル・マーケティングと、その経営の分野で「特Aクラス」の有名人である。2009年にGoogle北米CEOから低迷していた「AOL」にCEOとして移籍し、デジタル部門を成長させて見事にVerizonに売却した手腕を持つ。Verizonに参画後も、「Yahoo」の買収やマリッサ・メイヤーCEOの招聘にも一役買い、Verizonを「Alibabaの株式資産」を持つ身分に成長させた。今年に入っては「WPP」のマーティン・ソレルCEO辞任のハプニングの際に、真っ先に後継者と噂された程の人物。Verizonが保有する精鋭経営者としても大きな資産人材のはずであった。

Verizonは、傘下に収めたYahooのマリッサ・メイヤーCEOの退任後、アームストロング氏がAOLとYahooを束ねて「新生Oath」のCEOとしてデジタル・コンテンツ事業を牽引していた。アームストロング氏辞任の意向は、テレコム企業の2強である「Verizon」と「AT&T」の動きを比較すれば見えてくる。「回線事業+コンテンツ+データ」へのビジョンの差が浮かび上がる。

■コンテンツ事業へ。1.1兆円投資のVerizonと、10兆円投資のAT&T
 「回線事業+コンテンツ+データ」の方向を目指したテレコムの2強の一角であるVerizonによる投資額は、AOL(2015)とYahoo(2017)で総額約9,900億円(90億ドル)。さらにビデオ・ストリーミング・チャンネルとしてVerizonが自社で立ち上げた「GO90」におよそ1,100億円(10億ドル)を投下したと考えられる。これらを合わせればざっと1.1兆円になる。(「G90」はVerizonが2015年10月に立ち上げたモバイル向けの動画ストリーミングサービス。「AwesomenessTV」や「Vice Media」から番組を購入し、視聴者に無料+広告で届けていた。しかしVerizonは今年7月に約730億円(6.6億ドル)で償却し閉鎖している。)

 一方のライバルAT&Tは「Time Warner」に約9.4兆円(850億ドル)を投じた事は記憶に新しい。さらに今年アドテク企業の「AppNexus」に約1,800億円(16億ドル、推定)を投資して自社に取り入れている。これらを合わせると約10兆円弱になる。

USの携帯会社のアカウント数

図2: USの携帯会社のアカウント数
2018年Q2時点でVerizon(青色)=1.53億人、AT&T(紺色)=1.47億人。互角の二強である。
https://www.statista.com/statistics/283507/subscribers-to-top-wireless-carriers-in-the-us/

この「約1兆円(Verizon)、対、約10兆円(AT&T)」の金額の桁の違いからもVerizonとAT&Tが同じ「回線事業+コンテンツ+データ」の路線の中において、違うアプローチを取っているのがわかるだろう。ちなみに現在の両社の企業規模は、米国市場においてほぼ互角の2強であり、市場を二分している存在だ(図2)。
たとえば・・・

 

続きはMAD MANレポートVol.46にて

 

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