広告&マーケティング業界の最新トレンドを紐解く『MAD MANレポート Vol.40』(DI.ニューヨーク発行)

<2018 年 3月、Vol. 40>

  • 米Walmartがクラウド事業に進出する背景とは
    <特集:テレビ・テレビ・テレビ>
  • 米テレビ局が1時間中10分のCM枠を「2分」に減らす覚悟
  • FAAMG企業だけが成長するコンテンツビジネスの「第2ラウンド」
  • テレコム企業 コンテンツビジネスのもがき
  • 巨人企業Verizonは自社制ストリーミング「go90」を閉鎖
  • 番組コンテンツ制作費とサブスク課金のバランス相場は
  • テレビ局ビジネスは国境を超える 5,000万人級の購読視聴者の獲得に向けて

米テレビ局が1時間中10分のCM枠を「2分」に減らす覚悟

図1:2015年にFOXがPepsiと結んだ、有名ドラマ「Empire」内のCMとドラマの内容をリンクさせる契約

米テレビチャンネル局(ネットワーク局)のFOXが「2020年までに、1時間あたりの広告枠の現状10.6分から2分間に縮小する」と発表し、これを米Wall Street Journal(以下WSJ)が今月報じている。WSJが報じる「経済界のニュース」ということだが、WSJとFOX局は親会社が同じ「News Corp社」傘下なので、グループ企業に対する盛り上げ(注意喚起)の意図もあるだろう。
(注:昨年末DisneyがFOX買収を提案したが、買収完了には12~18ヶ月かかる)

この時期のテレビチャンネル局による施策発表は恒例行事となっており、毎年のテレビ局業界の「アップフロントCM枠売買」の交渉が始まる(4月〜)直前に行われる。このFOXにおける(WSJの)発表に対して、中立な業界メディアのAdvertising Week誌は、慎重にその発表(「TVにおけるCM分数の時短」)の意味合いについて紹介している。この時期のアナウンスを日本のマーケティング業界から見れば、未来予想というよりも「次に起こること」として的中率の高い情報だ。

 

CM枠が1時間に16分もある米国の現状

このFOXの発表は、マーケティング業界にはかなりのインパクトがあった。今月、FOXがロサンゼルスでの業界“営業“を目的としたカンファレンスを主催し、競合のメディア企業・広告主・バイヤーなどの役員らの前で発表している。日本のプライムタイムのCM枠は1時間あたり6〜7分なので、これと照らし合わせても「1時間に2分(だけ)のCM枠」のインパクトは想像に難くない。

米国では全国ネット(ブロードキャスト)のCM枠は1時間あたり平均約13分も充てがわれている。さらに、これがケーブルテレビ回線経由の視聴になるとケーブル配信局が差し込むCMも加わり、1時間あたり平均16分がCM枠となっている(Nielsen調べ)。MAD MAN読者には米国の現在のCM枠数の多さにも驚いてもらいたいが、その多さを差し引いてもテレビ局自身が「CM枠数、CM分数を激減させる」意図を公言したことに注目だ。

FOXの営業部の意図は、ブランド企業へのテレビ広告枠の販売において、インプレッション数(視聴数、視聴回数)をベースとした取引から離れて、コンテンツの視聴時間や注視度に基づく「番組特徴や仕組み」を使用して広告価値を販売したいというものだ。OTT配信のNetflixやAmazonプライムのような「広告なし」のサブスクチャンネルの視聴時間が増えている一方で、「広告あり」のケーブル経由のテレビ放送からは視聴者が離れていく傾向に拍車がかかっている。これまで各テレビチャンネル局は、目先の収入を増やすために「CM枠を増やし続ける」という小手先の延命施策を続けていた。その結果が1時間あたり16分というCM枠の肥大化につながった具合だ。今年のFOXのCM枠数を(増やさずに)減らすという打ち手は、いよいよ「抜本的」な変化に向けた行動の一端となるだろう。

 

CM枠の減少はテレビ局業界全体の傾向

実はFOXだけではなく、NBCUもプライムタイムのCM枠数を・・・

 

続きはMAD MANレポートVol.40にて

 

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