世界のブランド・ランキングと、メディア出稿ランキングの相関は?(無料公開版)

MAD MANレポート創刊1周年記念(無料公開版)  2015.12.24

世界のブランド・ランキングと、メディア出稿ランキングの相関は?


おかげさまでMAD MANレポートとして、ニューヨークから講読契約者限定で「目線」の提供を行って1年。

この1年だけでもDIGI DAYの日本語版創刊やソーシャル上のニュースをはじめ、世界情報の日本語提供は圧倒的な数で溢れるようになった。単なる速報性としての「翻訳記事」がネット上に溢れ、一昔前の「知れない」状態から「何か聞いたことがある」状態に状況は一転したと言って良い。

ところが情報とは何か解析する目的を持って集めないかぎり、ただのノイズの収集となる事が常である。レポートを読むのは単に「最先端情報を知る、触れること」が目的ではないはず。「日本でのビジネスに活かしたい」では目的としてまだ弱いし、「情報に遅れないようにしたい」というのでは受け身すぎる。

読者が日本を起点としたビジネスを行っているが故に、どうしても感じられないかもしれない「視点や考え方」を突いてみたい。これがMAD MANレポートの起点であり、ゴールは「経営に変化を起こすこと」を大胆ながら考えている。情報として読み流すのではなく、「経営思考」を巡らすためのフォーマットとして基本は紙製本をお届けしている。

 


freemad22さて「創刊」一周年という事で、MAD MAN流の「相関」を調べてみた。講読されている方もあろうかと思うがAdvertising Ageの有料データセンターから、
・グローバル・マーケター出稿ランキング100位
・米国の全マーケティング・エージェンシー900位(広告、メディア、PR全て含む)
・グローバル・エージェンシーグループ50位
のデータを抜粋し、エクセルを添付してお届けする。

(エクセル送付は契約社のみ。ただし、本ページ末に参考資料あり)

 

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さらにWPPのミルウォードブラウンが毎年計測している「世界ブランドバリュー・ランキングBRANDZ」による100位のPDFを添える。

■2015_BrandZ_Top100_Chart
https://www.millwardbrown.com/BrandZ/2015/Global/2015_BrandZ_Top100_Chart.pdf
■2015_BrandZ_Top100_Infographic
https://www.millwardbrown.com/BrandZ/2015/Global/2015_BrandZ_Top100_Infographic.pdf

比べて見つけた相関は、「出稿ランキング100傑」と「ブランド価値ランキング100傑」と、出所も手法もまったく別のランキングをザックリ合わせて眺めてみようという試みである。「ブランド価値を高める」事がメディア投下を含めたマーケティングのゴールだと仮定して、下記のA)、B)を見極めてみた。

A) メディア投下の効率良好型:
出稿ランキングには登場しないが、ブランド価値ランキングに登場する企業。あるいは出稿ランキングは下位だが、ブランド価値ランキングには出稿ランクより上位に登場する企業。

B) メディア投下の効率苦戦型:
出稿ラインキングには登場するが、ブランド価値ランキングには登場しない企業。あるいは出稿ランキグは上位だが、ブランド価値ランキングには出稿ランクより下位に登場する企業。

この「お遊び比較」の前提として

  • 順位だけの比較に過ぎないので、価値の相関を数的に求めたものではない。
    例えば出稿ランキング1位のP&Gは、ブランド価値ランキングで0位にならなければ(A)効率型と呼んでもらえない前提になる。
  • 順位だけの比較に過ぎないので、出稿ランキング100位企業がブランド・ランキング99位につけると(A)と仕分けされ、逆に99位―100位となると(B)と仕分けされる。両者におそらく有意な差は見つけられないはず。
  • 業種によっては、広告出稿がブランド価値維持の生命線の業種もあれば、B2Bに代表される「広告はマーケティング活動のごく小さい部分」という業種もあろう。
  • 商品ブランドの価値を引き上げる事を目的とし、企業体としてのブランド価値は次点になる企業もある。P&Gはパンパースやジレットという、トップ100位のブランドを複数持っている企業体(出稿主)の典型例。
  • BRANDZはミルウォードブラウン(WPP)のブランド価値調査であるが、メディアの出稿との効率比較はWPPの立場では行わない比較だろう。なぜなら比較をするとメディアの投下抑制につながってしまう資料になるからだ。

 

是非、メディア出稿ランキングとBRANDZのPDFをご覧になってから読み進めていただければと思う。下記図1は、(A)効率良好型に属する主なブランドたちである(上位40社の中から抜き出し)。なじみのグローバルブランドに加え中国系企業のロゴもいくつか見える。

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図1:ミルウォードブラウン調査のBrandzに登場するブランドたち。その中から広告出稿ランキングに登場しないブランド、出稿ランキングよりブランド価値が高いブランドを抜き出してみた。

 

■グローバル広告出稿ランキング100社の中に、日本企業は20社
図2は、「広告出稿ランキング100社」の中から上位30社の紹介と、100社の中から日本企業を抜き出した表だ。日本国内の広告出稿を含むグローバルで計算してみると、かなりの日本企業が「大手出稿主」という事になる。100社中20社が日本企業だった。

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 図2:世界の広告出稿社リスト100位より、上位30位と、100位以内に登場する日本企業を抜粋(黄色部分)。全部で日本企業は20社登場する。Advertising Age Data Center

 

さて、創刊記念号の相関クイズを考えてみた。
上記黄色で塗ったグローバル出稿ランキング100位以内に入った日本企業の中で「(A)ブランド価値ランクが出稿ランクを上回った効率良いメディア投資」に振り分けられた会社が何社あるか?考えてほしい。

筆者も興味津々で数えたのだが、答えは0、すべて(B)だった。このお遊びから導ける結論は、「お遊びなので、特にない」が答えだろうか。


<参考資料>メディア出稿ランキング

100 Largest Global Marketers

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日本企業抜粋

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単位は全て、US$1=120円と略算している。

2015年12月
株式会社デジタルインテリジェンス